ワゴンの車窓から 01

遊馬崎はNDSで電撃文庫を読み。
狩沢は漫画化された作品を酷評し、
門田は正統派のジュヴナイル小説なんかを読んでいる。
走行の振動と地震の振動と三半規管の戦い。
この頃地震が多発し、大規模な災害を受けている地域もあるが
そんなもので。






もうなれきったってな。







ガクン






そうなれないヤツがいるのか、時折こうして
大きいときにとまっちまうヤツがいてワゴンの鼻先が
あたりゃしないかとハラハラする。









「総員　対ショック姿勢!!」
「「了解!!」」








門田のノリの指示に遊馬崎は通常の敬礼。
狩沢は掌を見せるようなZ.A.○.T式。
バックミラー越しの後部座席はそんなんで。
横目で見る、助手席の門田は言ったら言ったで満足したのか
普段どおりの顔つきだ。
後ろもそうで敬礼が終わればおのおのの娯楽にふけり始める。





とりあえず、こんなことにも慣れてきたが。
オレは最後まで黙ってハンドルを切る。

 

 

実は一度でもいいから自分も言ってみたいだなんて、思わない。
と思いたい。