略してオンアダ。

期待を裏切るという期待を裏切らないのが、家族公認キャッチフレーズ。
残念Q．O．L．《クオリティ・オブ・ライフ》な煩蔵です。


キネサル様に日頃の御愛顧とスルーされがちなキリを
報告して下さる懐の広さに感謝をしつつ、
恩を仇で返しちゃうようなヤツですいません。



デュラララ!!　の遊馬崎門田さん學パラです。
下のネーミングセンスゼロなタイトルから。
ほんとうにすいません。

「あー今頃、親の懐も気にせずサンタを信じたふりをして
　高いものを強請るお子様たちがイヴに祝って
　当日は当事者を祝わない気ないってかなにソレって時間帯っすね。」
「おーもうそんな時間か。」
「とっくに日が落ちてカラスといっしょに帰りましょう～♪
　もかなり前に聞いて、家路も流れて。
　まだ今日の最終退室の先生の名前は発表されてませんけど。」




二学期、今年最後の貸し出しは終わって
初めて見る顔もあった全委員
（各クラス2名×8クラス×3学年＝48名）による
大掃除も終わった後。
なんでか門田センパイとオレは本棚の前で埃っぽくなってる。
なんでかっていうとまぁまだ2月でもないのにちょっと聖戦が
あって信じるものの違いというか方向性の相違というか
‥‥‥性的趣向の差異があってすったもんだで愛すべき
柔軟性があり割と考えずに本を入れちゃう司書のせんせーに
入れてもらった聖典[電撃文庫]がたくさんぎゅぎゅっと大サービスの
本棚にていやぁで「よっしゃー！！いったれ！！このブロウ！」って
気付いたら担任の教師がいて、道が交わらなくなったダチが
頭を打ち所は悪くないけど強く打って脳震盪を起こしちゃったら
一人で起こられて見事にドミノでボラボラボラボラ、ボラァーレ・ビィーア
《吹っ飛びな》！！ってことになってしまったのでその片付けをしている。
門田さんはたまたま司書室に盗難防止で収納している漫画の文庫を
つい読み耽っているところで、手伝ってもらってる。
ダチとの喧嘩の理由を「オレの好きな作品が馬鹿にされたから」と
答えたら「俺もそんな覚えあるな････。」と遠い目をしていた。
二歳しか違わないのにいったいどんな人生歩んできたんだよって言う
さかのぼりっぷりな言い方だった。




最近ラノベ気味でニ段組でも文字が大きい講談社ノベルスの棚。
いやに高くて学生は文庫化を待ち望むハードカバーの
メディアワークスの棚。
微妙な高さで棚の高さを悩ませ、なんか最近はベストセラーが多くて
大仰だけど中身は大して詰まってないご高説を賜れる現代新書の棚。
古典的な怪奇や推理小説を揃えた創元社の棚はかなり下ですえられて
純文学ばかりが上段に目立つ文庫の棚。
今差し掛かっているのは文庫で。
昔のアニメの文庫されたものが多い、いつもの電撃でない角川ばかりが
ある棚を整理している。
全体的に薄くて電撃よりも行数の隙間が狭く、オレにはちょっと読み辛い。
門田さんは最近の萌重視な電撃よりも読んでいるのでオレも少しは
知っている作品が並んでいる。
懐かしいタイトルのものも多くて開いてしまうと漫画でない分
読む時間がかかって表紙が曲がらないように一応はヒラ積みしたものの
錯乱しているライトノベルが山積みになっている。
その調子だと最後の先生においていかれて下校時にほんとうに3分で
やってくるセ○ムに注意しないと、と思う。




「ガキは、よ」




だれかがアニメの文庫化された作品の間につっこまれた
新潮あたりの絵本が門田さんの手の中にあった。
古くてかなり適当な挿絵。






「甘えられるうちに甘えてりゃーいいんだ。
　それでこそ、困らせてやるほどにな。」






そんで怒られてる、それでいいんだよ。






「そんなもんすかね。」






いやに穏やかなセンパイの顔は
一度親に連れて行かれて、みた。
クリスマスだというのに簡素にしか飾られていなかった
教会の目立たない神父が旧約聖書をめくるときの顔に似ていた。
年からすると失礼だろうけど、すごく落ち着いて
静かで、悟っていた、寂しい表情。
灯されたほんとうの電飾でない蝋燭の光の中でのミサの
明かりでさえ眩しそうに目を細める、あの目の距離感。









今ならわかる。













そのことを知ったのは先輩が卒業して。
卒業して進学した大学を五月に中退《や》めて
どこかへいってしまってそれでも年が終わる一年後の昨日だった。
センパイのサンタクロースはもうオレの年になった時にいなくなって
しまったらしい、しかもドラマみたく当日に。
「世間と同じで二日あんだからこだわんなくってもいいだろうになぁ。」
と笑っていたと狩沢先輩に聞いた。




センパイ。
冗談めかして。



「オレがセンパイのサンタさんになったげますって。」



恋人がそう、なんて言う古い歌みたいなこと考えて
勢いにまかせて言おうとしてたって知ってましたか？
今日となってはあの時に言わなくてよかったとか
考えたりしちゃいますけど、どうしてあのとき空気を
読んじゃったのかっても思っちゃうんです。
だって、オレは笑ってばかりいるから。
沈黙とかなれてなくて。
上手く黙れなかった。
笑い飛ばしてもらえるくらいの、馬鹿だなってとぼされるくらいしかの
役しかできなかったから。






校内に今年から付けられたイルミネーションの
サンタクロースが向かいの生徒棟のベランダをずっと降りたり昇ったりしている。