すりこぎぼうとすり鉢と

｢あの、なんでそんなに親の仇みたいな目をして擂ってるんですか？｣
｢これが恨まずにいられますか!!昨日見ましたよね。
　あの海老の殻とごはんを使ったおせんべえのレシピを。｣
｢見ましたけど。｣
｢なんとも思わないんですか？｣
｢なにか思うほうがおかしく思えます。｣
｢････ミルですよ。あのフードプロッセッサーだったかミルだったかってヤツですよ。｣
｢あー使ってましたね。海老の殻を粉末にするのに。｣
｢おかしいじゃないですか!!｣
｢粉末にするからあれでいいんじゃないですか？｣
｢おかしい、おかしいんです。
　そもそももったいないもったいなと海老の殻を奉りたてるのならば、
　一般家庭にフードプロセッサー、てかミルがないことは把握しておかねばならないでしょう。
　あんなところまで使うのならば、買ってませんよ。
　あの調理器具なんか。
　ミキサーは普及してきたとはいえあれはないです、ないじゃないですか!!
　あんまりです!!しかし挫けたくはありません。屈したくありません。
　ないなら、あるものでどうにかする。
　それが必要なものだとぼくは気付きました。｣
｢あーそうですか。｣
｢負けませんよ、ぼくは。｣
｢はぁ（どうでもいい）。｣
｢と言うわけですり鉢を持っていてもらえますか、綱吉クン。
　濡れタオルを敷いても擂っていると動いてしますので。｣
｢頑張れ。｣





すりこぎぼうとすり鉢と
　　　　　　（買うお金はあるのにな）